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「なぜ苫小牧は雪が少ない?」「3月に最後の雪?」苫小牧の天気を元気象庁職員に聞きました!

2026年2月27日(金)、大町1丁目の「TomakomaiHub(旧いとう履物店)」にて、元気象庁職員の出村孝弘さんを講師に迎えた2026年深堀サミット「どうして苫小牧は雪が少ないのか?」が開催されました。
苫小牧に住んでいると体感では認識している「雪の少なさ」ですが、プロの視点で語られた講義の模様をレポートします。

1. 降雪量は、近隣のわずか「6分の1」

苫小牧の年間降雪量は約145cm程度です。豪雪地として知られる倶知安が年間900cm以上であることを考えると、その差は歴然としています。出村さんは、「降雪量(降った量)」と「積雪深(積もっている深さ)」の違いを正しく理解することが、気象を読み解く第一歩だと強調しました。

2. なぜ雪が少ないのか?鍵を握る「山のブロック」

この謎の答えは、冬特有の「西高東低」の気圧配置と「地形」の関係にあります。

  • 山のブロック: 日本海側で発達した雪雲は、北海道中央部の山々にぶつかり、日本海側に雪を落とします。
  • 乾いた風の通り道: 山を越える際に水分を落としきった「乾いた風」だけが太平洋側に吹き抜けるため、この地域は晴天が多くなります。
  • 地域差のヒミツ: 札幌方面からの雪雲が流れ込みやすい沼ノ端・ウトナイ地区は雪が多くなりがちですが、西側の山に守られた糸井地区などはさらに雪が少なくなります。

3. 「3月の雪」で帳尻が合う?太平洋側特有のメカニズム

講義で特に注目を集めたのが、冬の終わりに訪れる雪の性質です。「3月の雪で帳尻が合う」と言われるように、この時期の雪には特有の理由があります。

  • 南岸低気圧の襲来: 3月頃、センバツ野球が始まる時期になると、本州の南岸を低気圧が通るようになります。
  • 太平洋側のリスク: この「南岸低気圧」は、冬の山越えの雲とは異なり、太平洋側へ湿った重たい雪をダイレクトに運び込みます。
  • 帳尻合わせの雪: 真冬に雪が少なくても、この時期にまとまった雪が降ることで、結果としてシーズン全体の積雪量のバランスが変わることがあります。
出村孝弘さん

4. 気象庁時代の舞台裏:遺体確認の札を下げて挑んだ離島観測

後半は、出村さんの34年にわたる破天荒な気象庁キャリアに焦点が当てられました。

  • 過酷な現場作業: 20m以上の高さがある風向風速計の点検や、計測を狂わせるカラスの巣の撤去など、現場での苦労話に会場は驚きに包まれました。
  • 南鳥島での決死の任務: 日本最東端の南鳥島での観測では、自衛隊の輸送機に乗り、万が一の事態に備えて遺体確認用の番号札を首に下げて島へ渡るという、命がけの経験も語られました。
暴風雪の中での気球での観測作業

5. 自動化される今こそ「空を見る」大切さ

現在、気象庁による「目視観測(人の目で雲の種類や量を判別すること)」は大幅に縮小・自動化されています。

  • 消えゆく職人技: かつては夜の暗闇でも、星の見え方から薄い雲の存在を読み解く修業が必要でした。
  • 「空を読み解く力」: 100種類近くある雲を判別し、次の天気を予測する楽しさを語りつつ、機械化される今だからこそ自分の目で観察することの意義を伝えました。

「この地域は雪が少なくて住みやすいが、3月の湿った雪や近年の極端な気象変化には注意が必要」と語る出村さん。3月初旬はまさにその「3月の雪」に注意が必要な時期です。足元にお気をつけてお過ごしください!

講義の合間に飛び出した「33度超えの暑い日に、パチンコ屋で涼みに行って大勝ちした」というエピソードには会場も大爆笑。気象の知識だけでなく、出村さんのチャーミングな人柄に参加者一同すっかりファンになってしまった夜でした。

さらに詳しい観測の裏話を聞きたい方は、ぜひ次回の「深堀サミット」にも注目です!

開催場所となった「TomakomaiHub(旧いとう履物店)」の場所はこちらです。

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この記事を書いた人
zoe

生まれも育ちも苫小牧(若干青森と札幌に浮気)の40代。イベントではハスカップをかぶっています。
苫小牧の街並みや昔の写真、地図を見るのが大好きです。
日々苫小牧の話題をリサーチして、皆さんの役に立ちそうな生活情報をお届けできるよう奮闘します!

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